
赤い屋根の向こうに海がある――青島で味わう「鮮」と「爽」
2026-07-17


中国最北端の町・黒龍江省漠河市。
そのさらに北、大興安嶺の深い森と黒龍江に抱かれるようにして、「北極村」と呼ばれる小さな村があります。
ここは、中国で最も北に位置する観光景致区。
そして、中国で唯一オーロラを観測できる町・漠河市の中でも、特にオーロラ観測に適した場所として知られています。
黒龍江が育む、北国の冬
村のそばを流れる黒龍江は、北極村の暮らしを支える大切な存在です。多くの淡水魚が生息し、漠河市周辺では、それらを使った「鉄鍋炖江魚(川魚の煮込み料理)」も親しまれています。
そして、この土地ならではの冬の風物詩が、「冬捕(冬の魚狩り)」です。湖や川が完全に凍りつく極寒の季節、人々は分厚い氷に穴を開け、長い網を氷の下へ通して魚を追い込みます。白い雪原の上で行われるその光景は、まるで北方民族の古い物語のよう。
氷を割る音。
凍てつく空気の中に立ちのぼる白い息。
そして、氷の下から次々と引き上げられる大魚たち——。
厳しい自然とともに生きてきた、北国の知恵と力強さを感じられる瞬間です。
森に息づく、北方少数民族の文化
この地域には、古くから北方少数民族の文化も息づいています。
なかでも知られているのが、エヴェンキ族(鄂温克族)。
中国で唯一、トナカイを飼育する民族として知られ、代々、狩猟とともに暮らしてきました。
彼らは「撮羅子(ツォルオズ)」と呼ばれる円錐形の住居で生活し、自然への畏敬を大切にするシャーマニズム文化を今に受け継いでいます。祭祀の際には、シャーマンが神衣をまとい、太鼓を打ち鳴らしながら舞を捧げ、人々や家畜の平安、豊かな自然の恵みを祈ります。
“中国最北”をめぐる
漠河市には、「最北郵便局」「最北の家」など、“中国最北”をテーマにしたスポットも点在しています。
地図の上では、中国の果て。
けれど実際に訪れてみると、この町にはどこか穏やかな空気が流れています。
広い空。
静かな森。
ゆっくりと流れる黒龍江。
「最果て」という言葉には、本来こんな静けさがあるのかもしれません。
夏は白夜、冬は氷雪の世界
北極村は、季節ごとにまったく異なる表情を見せてくれます。
夏には白夜が広がり、森と川をやさしい光が包み込みます。
一方、冬になると気温は氷点下30℃を下回り、一面が白銀の世界へ。
澄みきった空気の中、雪原の向こうに揺れるオーロラ。
もちろん、オーロラはいつでも見られるわけではありません。晴天や太陽活動など、さまざまな自然条件が重なった時だけ現れる、北の空からの贈り物です。
だからこそ、もしその光景に出会えたなら——。
それはきっと、旅の記憶に深く残る特別な瞬間になるはずです。