
景徳鎮の手工芸磁器産業遺産群、世界文化遺産へ
2026-09-21


潮州は、美食の街として知られる一方で、歴史ある建築が数多く残る文化の町でもあります。
市内を散策していると、歩くより先に、つい空を見上げてしまいます。なぜなら、屋根の上に広がる色鮮やかな装飾が、あまりにもユニークで美しいからです。龍や花鳥、歴史物語までが立体的に描かれ、その華やかさは、まるで空に浮かぶ美術館のようです。
この美しさを生み出しているのが、潮州に古くから受け継がれてきた建造物の装飾技法です。なかでも代表的なのが、「潮州三絶」と呼ばれる木彫・石彫・嵌瓷(けんじ)です。
屋根、梁、門、壁──建物のあらゆる場所に職人たちの技が施され、一棟一棟が立体的な工芸作品となっています。
まず目を引くのは、屋根を彩る嵌瓷です。
砕いた陶磁器の破片を一枚ずつ貼り合わせてつくられる装飾は、陽の光を受けるたびに鮮やかに輝きます。いろんな神獣や花鳥、古典文学の一場面などが生き生きと表現され、潮州の寺院や一族のご先祖を祀る祠堂を象徴する景観となっています。
建物の中へ視線を移すと、今度は木彫の世界が広がります。
梁や門には何層にも重ねて彫り抜く透かし彫りが施され、人物の表情や衣の細かなひだまで丁寧に表現されています。歴史物語や伝説が一枚の木の中に息づき、職人たちの卓越した技術を今に伝えています。
さらに壁や門柱には、繊細な石彫が刻まれています。
浮彫や線刻など複数の技法を巧みに組み合わせた彫刻は、近づくほどその細やかさに驚かされます。建物全体を眺めるだけでなく、ぜひ足を止めて細部にも目を向けてみてください。そこには、何百年もの時を超えて受け継がれてきた職人たちの息づかいが感じられます
こうした建築美は、有名な寺院だけで楽しめるものではありません。
唐代創建の開元寺や、宋代の邸宅建築として知られる許駙馬府、「木彫博物館」とも称される己略黄公祠はもちろん、旧市街の路地に残る伝統民家にも、美しい装飾が今なお息づいています。何気なく歩いているだけで、思いがけない芸術作品に出会える――それが潮州という町の大きな魅力です。
潮州の建築や工芸には、単なる装飾以上の意味があります。
そこに描かれる龍や鳳凰、吉祥文様の一つひとつには、人々の願いや家族への思い、受け継がれてきた価値観が込められています。美しさとは、飾るためだけではなく、暮らしや文化を未来へ伝えるためのものでもあるのです。
だから潮州では、歩くより先に、つい空を見上げてしまうのかもしれません。